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イオン交換樹脂吸着率(3)

イオン交換樹脂を液体に吸着させる前処理の方法も回数を重ねるごとに新しい発見ががあり、少しずつ改善されました。
TDSメーターを活用する事でその方法にとらわれずに数値で確認する事が出来る事はより正確性の高い測定の為には有効だと思います。

しかしやはり最終的にはベクレル値がわかった試料で確認する事が最も大切だと思います。

詳しくは前回の記事をまずはご参照下さい。

汚染された液体の検体を入手しましたが汚染濃度がわからないのでまず液体の状態で測定を行いました。

IMG_1

汚染されている事は確実だと思いますので万が一でも液体が検査室に漏れないように袋は3重にしました。
測定して約7,000秒で汚染がある事はスペクトルを見て確認出来ます。

Osennsui103-7Ks
*生データはまだギザギザが多いですが、見慣れればCs-137のピークは確認出来ます。

Osensui105-7Ks

Cs-All 2.5Bq/kg


液体の検体でもこの程度の汚染があればiFKR-ZIP-Aなら2時間もかからずに検出可能出です。
(*測定場所などの条件により違います。)
知人の元放射線測定業務従事者は、評判が良く実績があるNaIを実際に使っていた方ですが、ZIPをたびたび見にこられ最初は信じられないと驚いていました。
その測定器では固形の検体でも10Bq/kgをスペクトルを見て判断するのは至難の技だとおっしゃっていました。
ZIPの分解能や検出器の感度などの表面的なスペックしか見てないので実際に目にするまでは信じられないのも無理はないと思います。

メーカーである(株)シンメトリックス社の野中社長の40年以上の経験からのノイズ対策や半田付けなどの細かい作業などにも妥協を許さない仕事がなせる技だと思います。
フェムトアンペアを扱える卓越したアナログ回路技術を保有している事は特筆すべきです。
プリアンプに求められる高度なアナログ回路設計・組立技術は多くの分野(大学・研究・民間)においても最もボトムネックになっている分野であり、現実的には数十年技術革新は行われていません。
SMTX社プリアンプ(Pre Amplifier)はプリアンプに対して新しい可能性を示すものです。
そして厳密に定量を行う為に10時間の測定をしましたが数値は変わりませんでした。

Osensui105-10h

Cs-All 2.5Bq/kg

約320ccの汚染水の検体を検体袋から取り出して、0ppmの純水を320cc足す事により、数値の半分の1.25Bq/kgの試料が出来ます。
過去、0.6Bq/kgの試料と1.2Bq/kgの液体の試料の検証をしたのでより濃度が低い試料を作る必要がある為に640ccの検体に更に640ccを足して1,280ccにし更に1,280ccに純水を足し合計で2,560ccの計算上0.312Bq/kgの液体の試料を作りました。
計算上合計2,560cc÷320g=8倍ですので、出てきた数値を8で割った値が理論値です。

まずは2,560ccの汚染水をTDSメーターで数値を確認します。

IMG_2

89ppm

iFKR-ZIP-Aの基本検体量の320gのイオン交換樹脂を入れ、TDSメーターで数値が0ppmになるまでかき混ぜました。
なかなか0ppmにならず、1ppmになってからもかなりの回数かき混ぜました。

IMG_3
0ppm

IMG_4
*160g×2袋
そしてイオン交換樹脂を320g取り出し10時間の測定を行いました。

OsensuiDI105-10h


Cs-All 2.4Bq/kg    
2.4÷8=0.3Bq/kgが換算値です。


吸着率は計算上96%です。



『イオン交換樹脂(Na-樹脂)のCs-137の吸収率は水で99%で、カリウムを加える事でもほとんどその吸着率は不変』である事が下記の過去記事の文中の論文でもありましたが、それにしても吸着率が高い事に驚きました。

*参照過去記事

微量に汚染された液体の定量はゲルマでもパルサーで1chに収まる真の微分非直線性がなければ、難しい事が実際に1Bq/kgレベルの測定を行うと解ります。
そのレベルの測定はハッキリとMCAの微分非直線性の性能の差が出てきます。


*詳しくは微量放射能測定の可能性についてをご参照下さい。

Geでも0.00XBq/kgレベルの測定を行う為には検体を濃縮するなどの工夫が必要です。
一般の測定所などに最も多く普及しているNaIなどでも検体は比較的不純物が少ない液体に限りますが、イオン交換樹脂に吸着させる事で0.00XBq/kg単位まで測定出来る事は行政の発表値と比較検討出来る意味でも大変重要な事です。

FKRシリーズの解析プログラムは、Cs-137とCs-134の比率に影響されないアルゴリズムで算出されています。
Cs-137とCs-134の比率

最もコストパフォーマンスに優れたFKRシリーズを是非ご検討下さい。
測定が初めての方でも、無料のメーリングリストで会員にいつでもお気軽にご質問頂けるサービスもご用意しておりますので、まずはお問い合わせ下さい。

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までご案内致しますのでお気軽にご相談下さい。

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