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イオン交換樹脂を利用したセシウム測定

水道水など微量に汚染された液体の測定は濃縮させるなど工夫が必要です。

前回、葛飾区の水道水のセシウムの精密測定で行った方法は3リットルのメジャーカップに水道水を入れ、その中にイオン交換樹脂を規定の量を入れかき混ぜて、水のみを捨てその作業を33回と最後に1リットルを入れて合計34回もの同じ作業を繰り返した為に労力と時間がかかりました。

流水メーターを蛇口に付ける方法もありますが、各家庭で用意する事はコスト的にも負担になります。
そこでもっと手軽に簡単に流水量が手軽にわかる方法で試してみました。
まずは1.5Lの空のペットボトルを半分にカットしてフィルターで口を輪ゴムで止め塞ぎます。

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そしてカットした底部のペットボトルを利用して逆さにしてイオン交換樹脂を320g入れます。

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次に逆さの状態で埃などが入らないようにフィルターをかぶせてテーピングします。

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そして風呂場など水がこぼれてもよい場所で通水させて水があふれないように水を出す量を決めます。

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そして1L溜まるのがわかる容器を下に置き、実際に何秒で1Lの水が溜まるのか出来るだけ正確に時間を測ります。

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実際に測定したら、1リットルの水を貯めるのにかかった時間は101秒でした。

今回は100リットルの水を通水させる為に100倍の10,100秒間放置しました。
*途中で倒れないように物などで押さえておくと良いと思います。
*タイマーを数分前にセットしておくと便利です。

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通水が完了しましたら、先程の底部のペットボトルを利用して逆さにしてしばらく放置して
水分を更に抜きます。

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そして水分が抜けたら、通常どうりジップ袋に160g×2袋を入れ念の為に袋は2重にして測定開始です。



SuidoDI100L929-16h
定量下限値未満です。

この結果から、ただ通水するだけでは吸着率は極端に落ちる可能性が高い事がわかりました。
イオン交換樹脂の吸着率を調べていて以下の論文を見つけた。

陽イオン交換樹脂(カルシウムポリスチレンスルホン酸塩、Ca-樹脂と ナトリウムポリスチレンスルホン酸塩、Na-樹脂)は、高カリウム血症(hyperkerlemia)を改善するための薬剤としてとして使用されている。
137Csを人体から取り除くために、樹脂の137Cs吸着能力が調査し評価した。レジン(0.03g)および137Cs(約1 kBq)を、水、日本薬局法溶解試験1番目の水溶液(pH1.2)、および2番目の水溶液(pH6.8)のそれぞれ3 mLに投入し 、振とうさせた。1~3時間後、Na-樹脂の137Cs吸着率(%)は水では99%、pH1.2の液では60%、pH6.8の液では66%であった。
Ca-樹脂の137Cs吸着率(%)はカリウムを加えることによって減少した。
一方、Na-樹脂の137Cs吸着(%)はほとんど不変であった。

これらの結果は、両方の樹脂が胃と腸の137Csの吸着能力を持っていることを示す。
従って、提案した方法は、放射性物質137Cs(摂取)による緊急事態に対処する効果的な方法である。


Cation exchange resins (calcium polystyrene sulfonate, Ca-resin and sodium

polystyrene sulfonate, Na-resin) have been used as agents to improve

hyperkerlemia. For removing 137Cs from the human body, the adsorption

ability of the resin for 137Cs was examined and evaluated. Resin (0.03 g) and

137Cs (ca.1 kBq) were introduced into 3 mL of water, the Japanese

Pharmacopoeia 1st fluid for a dissolution test (pH 1.2) and 2nd fluid (pH 6.8),

respectively, and shaken. After 1-3 hours, the 137Cs adsorption (%) of Na-resin

was 99% in water, 60% in a pH 1.2 fluid and, 66% in a pH 6.8 fluid. By adding

potassium, the 137Cs adsorption (%) of Ca-resin was reduced. However, the

137Cs adsorption (%) of Na-resin was almost unchanged. These results show

that both resins have adsorption ability for 137Cs in the stomach and the

intestines. Therefore, the proposed method will be an effective means in the

case of a radiological emergency due to 137Cs.

*参考 http://ci.nii.ac.jp/naid/10031173790



Na-樹脂の水の吸着率99%と言うのは大変参考になります。
一番知りたかった部分です。
しかもカリウムがまざっていてもほとんど吸着率は変わらない事がわかっただけでも大収穫です。
また、吸着する時間も大切な要素である事がわかりました。
次回はその事をふまえて試してみたいと思います。

どなたか良いアイディアをお持ちの方は是非、教えて下さい。
出来るだけ時間、コストがかからず微量の測定を行う事が最大のポイントです。



メーカーである(株)シンメトリックス社=SMTX社の野中社長は研究機関の放射線測定器の開発に40年以上携わってきた技術者で、
蛍光X線分析機装置はX線検出器からX線発生装置、MCA、分析プログラムまですべて自社で開発出来るのが強みです。
フェムトアンペアを扱える卓越したアナログ回路技術を保有している事は特筆すべきです。
高エネルギー加速器研究機構や産業技術総合研究所などの研究機関などへの納入実績もあります。
SMTX社プリアンプ(Pre Amplifier)はに対して新しい可能性を示すものです。
プリアンプは様々な分野に於ける計測にとって必要不可欠な要素デバイスでありますが、プリアンプに求められる高度なアナログ回路設計
・組立技術は多くの分野(大学・研究・民間)においても最もボトムネックになっている分野であり、現実的には数十年技術革新は行われていません。

さる2012年10月、東京新聞に「内部被曝が測定できる機器」としてシンメトリックス社の記事が掲載されました。当時、弊社はアンチコンプトン仕様での開発を進めておりましたが、この仕様では遮蔽の重さだけで500kgを超え、実用的でないと判断しました。別方向からのアプローチを試み、2年半の試行錯誤の末に採用したものがコインシデンスモードです。
iFKR-ZIP-Pro第一号は完成間近です。

サイズ的にはiFKR-ZIP-Aより若干大きい程度のサイズに納まりました。
測定下限値0.5Bq/kg(測定方法により0.00xBq/kg以下可能)検体量わずか100gは特筆すべきです。
コインシデンス(同時計数法)とは、1崩壊あたり複数のγ線を放出する核種に適用可能な測定方法です。
2台の検出器を使用するコインシデンスモード(同時計数法)によりCs-134だけのスペクトルを見ることが可能で、これにより従来のセシウム汚染の判定における核実験由来のセシウムとの混同、土壌測定等におけるBi-214等の妨害γ線による誤検出を回避する事が可能になります。


測定器につきましてご質問がある方はメーカーである
(株)シンメトリックス社
までご案内致しますのでお気軽にご相談下さい。

ご予約を頂ければ土日も対応致します。

お電話でのお問い合わせもお気軽に!


☎03-5629-6977

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