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イオン交換樹セシウム脂吸着率(2)

不純物が比較的少ない液体の検体に限定されますが、イオン交換樹脂でセシウムを吸着させ測定する事で今迄、不可能だった精密な検査が可能になった事は大きな意義がある事だと思います。

しかし吸着率がわからないと真の値にどの程度近い値かがわかりません。
実際に吸着率100%ということはまずあり得ませんので、吸着率は仮定で明記するしかない事が問題でした。
イオン交換樹脂の種類もグレードも様々で吸着率もメーカーにより違う事も判明しました。

例えば仮に1Bq/kgの検体があったとして吸着率が50%なら、実際は2Bq/kgが真の値に近い値となります。
ZIP友の会のメンバーの方からも、吸着率がある程度わからないと真の値よりかなり低めに出るとのご指摘も頂きましたので試行錯誤しておりましたがようやくそれをある程度解消する方法を見つけました。

どの程度吸着したかを知る事は大変重要だと思います。


まずは実際に濃度がわかった液体の試料での過去の検証をご参照下さい。


Cs-All/0.6Bq/kgの試料、吸着率93%

Cs-All/1.2Bq/kgの試料、吸着率67%


実際に濃度が違う液体の試料の測定でも机上の計算どうりにはいきません。
それにはいろいろな要素が考えられますが、イオン交換樹脂がどの程度吸着するのかは撹拌方法などによっても違います。
前回の記事では吸着させる時間も大切な要素だと考えてテストを行いましたが、かき混ぜる方法も出来るだけ条件を揃える為に同じ方法で行っておりましたが、それを数値で確認する方法がありませんでした。

そんな時にたまたま別件で来社してくれた0PPM-RO浄水システム輸入元の社長がヒントをくれました。
具体的には浄水器のフィルターの交換時期の目安にするTDSメーターを活用する事です。
TDSメーターは水の中に含まれる不純物をppm値で表します。
葛飾区の水道水はおおむね100~120ppm前後でその日により違います。
その水をイオン交換樹脂に吸着させれば0ppmの水になります。
つまり0ppmになるまでかき混ぜてイオン交換樹脂を吸着させれば良いのです。

今回の実験でも前回同様に2Lの空のペットボトルにイオン交換樹脂320gを入れ、そこに水道水を1.5L入れて撹拌したのですが、水道水からペットボトルに直接水を入れるのではなく3リットルのメジャーカップに1.5Lを入れ、まずはその水道水のppm値を測定します。
そしてペットボトルを1分間しっかりシェイクして1分待ってまた1分間シェイクします。
イオン交換樹脂が沈殿するのを待って(約1分間)水のみを捨てその作業を繰り返します。
つまりまず水道水のppm値を記録してからペットボトルに入れ撹拌させた後の水も測定し0ppmである事を確認します。

No.1
水道水の113ppm値


No.2
イオン交換樹脂吸着後の水の0ppm値


同じ動作を繰り返し数値が0ppmにならなくなるまで1.5Lの水道水を吸着させます。
イオン交換樹脂の吸着率は高いですが、沢山の不純物を吸着させると飽和状態になり、それ以上吸収しなくなります。
つまり吸収出来る限界があるので、それ以上の水を吸着させてもその吸着率は徐々に落ちていきます。
きりがないので数値が0ppmにならなかった時点(1ppm以上)で終わりにしました。

水道水のTDSメーター値の平均はそれぞれ

10月1日 109.4 ppm

10月2日 112.65ppm

10月3日 117.25ppm


結果的には回数にして34回目で0ppmにならず1ppmになってしまったので合計で34回で計算します。
34×1.5リットルで51リットル=51,000cc÷320gで159倍
実際に出た数値を159で割ると参考値が出ます。


20時間の測定を行いました。

SuidoDI51L104-20h

Cs-All 1.8Bq/kg

参考換算値 セシウム総量 0.0113Bq/kg

水道水のppm値は日々変動しますので単純比較は出来ませんがおおむね前回のテストと近い値です。
前回は放置する時間が1時間と前処理に長い時間が必要でしたが、TDSメーターを活用する事で前処理の時間を大幅に短縮出来るメリットは大きいと思います。
そして何よりも吸着している事が数値で確認出来る事は出来るだけ同じ条件で前処理を行う為には大変有効です。


前回の記事でも書きましたが、前処理には手間がかかりますが
検体量を増やす事で今迄不可能とされてきたより低濃度の汚染が見えるようになります。
多くの測定所で採用されているNaIはもちろんGeでもこの方法は有効です。
測定器により検体量、検出下限値は違いますが、その測定器でスペクトルで検出と判断出来るまで検体量を増やせば0.00XBq/kg精度の測定も夢ではありません。(比較的不純物が少ない液体の検体に限られます。)
その為にもご使用の測定器のスペクトルで検出と判断出来るように日頃から、実際の濃度がわかった試料で検証する事は大切だと思います。

机上の計算どうりにいかないのが放射能測定の難しいところです。
Geも測定器により数ベクレル精度の定量が難しい機種もあります。


Ge(Li)用の性能確認試料3Bq/kg無料貸出しサービスも行っております。

NaI用、Ge用共に5Bq/kgの性能確認用の試料の販売

その為にもスペクトルデータの公表は大切です。
何度も書きますがスペクトルの添付がない数値だけのデータは専門家が見てもその信憑性を判断出来ないからです。
スペクトル分析は簡単ではありませんが、濃度がわかった試料で確認して何度も検証する事で、その測定器で検出か不検出かの判断が可能となります。
あまり難しく考え過ぎるのも測定の敷居を高くしてしまいますので良くないと思います。
実際にベクレル値がわかった低濃度の試料でスペクトルを見慣れる事が上達の早道だと思います。

さる2012年10月、東京新聞に「内部被曝が測定できる機器」としてシンメトリックス社の記事が掲載されました。当時、アンチコンプトン仕様での開発を進めておりましたが、この仕様では遮蔽の重さだけで500kgを超え、実用的でないと判断しました。別方向からのアプローチを試み、2年半の試行錯誤の末に採用したものがコインシデンスモードです。
iFKR-ZIP-Pro第一号は完成間近です。
*参考:東京新聞記事

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(株)シンメトリックス社
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