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水道水の検出下限値

測定検査をご希望の方から水道水の検出下限値のご質問を頂きました。
葛飾区の水道水 セシウム総量 0.0113Bq/kgの検査で51リットルの水を吸着させ測定した事からおおむね0.006Bq/kg(葛飾区金町浄水場の水道水の場合)ですが、採取場所により、不純物濃度に違いがある為に正確な下限値は前処理を行ってみなければわかりません。
理由は不純物濃度の違いにより、イオン交換樹脂の吸着出来る限界が違う為です。
しかし検体を予めTDSメーターでppm値を測定する事によりある程度は推測出来ます。
最終的にはイオン交換樹脂で撹拌させ0ppmにならなくなった時点の量で計算します。

イオン交換樹脂吸着法による前処理で水道水は4回測定してきましたが、いずれもセシウム総量で0.01Bq/kg台の値でした。
ここ葛飾区の水道水は金町浄水場から供給されています。
更に性能の良いと思われるイオン交換樹脂をイオン交換樹脂に詳しい業者の方に作ってもらいそれを入手しましたので検証してみる事にしました。

今回はどの程度まで飽和せずに吸着出来るかと言う事と、摂取した水道水が同日に採取したものではないので厳密には比較検討出来ませんがどの程度の吸着率の差があるかと言う事です。

今回用意してもらったイオン交換樹脂は見た目も今迄テストを行った4種類の樹脂とはまったく違います。
今回、テストするものは2種類です。
それぞれ茶色のものと、黒ぽい胡麻ような色をしています。

今迄テストした4種類のイオン交換樹脂の色はどれも肌色でした。

DI-1
DI-1


DI5_n
DI-5

DI6_n
DI-6



今回の実験はDI-5(仮称)を使用し前回と同様に300gのイオン交換樹脂に1.5リットルの水道水を2Lのペットボトルに入れ、撹拌してTDSメーターで0ppmになるのを確認して繰り返し何リットルまで飽和状態にならずに吸着するかをテストしました。

前回参考記事:葛飾区の水道水 セシウム総量 0.0113Bq/kg


ペットボトルを2分間撹拌すると最初はほぼ0ppmになります。
それを繰り返して0ppmにならなかった場合は更に30秒間撹拌して0ppmにならなかった時点まで続けます。



(1)DI-5

DI-5

2015年11月11日 テスト開始時 水道水 147ppm 撹拌回数 2回

2015年11月12日 水道水 142ppm  水温19.1℃ 撹拌回数 20回

2015年11月13日 水道水 139ppm  水温18.6℃ 撹拌回数 29回

2015年11月14日 水道水 141ppm 水温19℃ 撹拌回数 4回
*4回目は2分間の撹拌で2ppmで更に30秒の撹拌でも1ppm


合計撹拌回数は55回として、1,5リットルですので計82,500ccの水道水を吸着させました。
測定しているiFKR-ZIP-Aの基本検体量は320gなので82,500cc÷320=257.8125倍。
参考検出下限値はCs-All 0.00378Bq/kgとなります。

葛飾区の水道水 セシウム総量 0.0113Bq/kgでは吸着させた水道水の量は51リットルでしたので飽和率については今回の樹脂のが性能が良い事がわかりました。
しかしセシウムを選択的に吸着しているかどうかは実際に測定して見なければ判断出来ません。

10時間の測定

DI5-82.5L1115-10h
Cs-All 1.5Bq/kg表記

参考換算値 Cs-All 0.0058Bq/kg


前回は51Lで飽和状態になりましたが、今回は82.5Lもの水量の吸着が出来ました。
検体を採取した日が異なる為に単純比較は出来ませんがおおむね半分の値になりましたのでセシウムの吸着率に関しては数値的に悪化しました。


更にDI-6のイオン交換樹脂でも近日中にテストを行いたいと思います。
前処理に時間がかかるように感じるかもしれませんが、濃縮するより遥かに時間は短縮出来ます。
とは言え前処理に4日もかかってしまっては他の測定にも影響が出る為により効率が良い方法を模索する必要はあるかと思います。
イオン交換樹脂吸着法による前処理、微量放射能測定の可能性について
でも書きましたが極微量の放射能測定を行う為に大変有効だと思います。
イオン交換樹脂の量はご使用の測定器の量に合わせて飽和率、吸着率なども別途検証する必要がありますがFKRシリーズに限らず他の測定器でも応用可能だと思います。
iFKR-ZIP-Proの場合は必要検体量が100gな事は測定依頼する側からも大きなアドバンテージです!
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| 18:45 | 未分類