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放射能測定について(2)

前回は放射能測定が簡単ではない事、測定目的に別けての測定器の選び方などについて書きましたが今回はiFKR-ZIP-Aを使用して基本的な操作方法を順をおって説明したいと思います。

前回の記事は放射能測定について(1)をご参照下さい。
また、基本的な操作はmFKRiFKR-ZIP-Proも同じです。
*iFKR-ZIP-Proは従来の測定方法の他にコインシデンスモードがあります。

1)測定に必要なもの
*測定前にご用意頂くものはこちらご欄下さい。機種によりご用意頂くものが一部異なります。

2)基本操作説明
*こちらの動画を観て基本的な操作を覚えて下さい。
StartGuide、MCAソフトウエア操作ガイド、ROI設定とReCalicの3つの動画に別れています。

3)測定を開始される前に
*こちらではパソコンの初期設定手順、エネルギーキャリブレーションを付属の炭酸カリウムで行います。
キャリブレーション(校正)は正しい測定の為には不可欠です。
また、BGなどの環境にもよりますが比較的、頻繁に確認を行う必要があります。
それを判断する為にも性能確認用の5Bq/kgの試料の定期的な測定が必要です。
ただし、5Bq/kg程度の微量の試料ですと毎回同じ値になるとは限りません。
何度か測定した平均値を目安にして大きくずれてないかの確認をします。
例えば±5%程度が誤差の範囲と決めたら、それ以上にずれていた場合にエネルギーキャリブレーションを行う目安にすれば良いと思います。

4)放射能測定はさまざまな不確定要素がある為に特にごく微量のセシウムの定量時には、出来るだけその不確定要素を排除する事が大切です。
温度、湿度などは出来るだけ一定に保ち、検査室なども定期的に掃除します。特に高濃度汚染がある検体を測定した後などは念入りに掃除して下さい。
また、データ取得時に、温度や湿度などと共に天候なども書いておくと後にデータを比較する時に役に立ちます。

ここで設置してからの手順をまとめます。

1.炭酸カリウムでエネルギーキャリブレーションを行う。

K40Caiib306-1h
*K40のピークが1460Kev付近にくるようにゲイン調整を1時間行います。

2.バックグラウンド(=BG)を10時間以上の測定を行い取得する。

K40BG-20h
*20時間のBGのデータです。

3.性能確認用試料の測定を行います。
性能確認用セシウム(Cs-137、Cs-134)標準試料


メーカーが作成した操作説明書も付属しておりますので、それを見ながら基本操作説明
も参考にすれば、一連の操作を覚えて頂けると思います。

測定に関しての情報交換をユーザー様同士でメーリングリスト形式で行っております。
測定の疑問などを実際のスペクトル例などで皆で検証する事が出来ます。
ユーザー様でご希望の方は誰でも参加出来ます。
『ZIP友の会』としまして市民測定所、企業の方はもちろん個人のお客様も多くいらっしゃいます。
私事ですが原発事故前は放射能測定を行う事などまったく考えていませんでした。
事故後に測定を少しずつ覚えましたが、『ZIP友の会』の情報交換コミュニティは大変重要である事を実感しています。
放射能測定は先にも書きましたが不確定要素が多く、地域によるBGの違いなどもあり、簡単ではありませんがメンバー全員で情報を共有し、疑問点を解消していく事が測定のレベルアップにも繋がると思います。
私もまだまだ勉強中の身ですが、測定に興味がある方はiFKR-ZIP-Aの実機がありますのでお気軽に見にいらして下さい。
実機でスペクトルなどを見ながら基本操作を覚えて頂くのが測定を覚える一番の早道だと思います。
実際に何度もこちらに来て頂いた方は今年から測定を開始されましたが既に数ベクレルの定量をされています。
このレベルの定量は事故前は熟練した研究者が重量が1t以上もある鉛の遮蔽体でGe(Li)検出器を用いなければ出来なかった事を考えますと挑戦し甲斐があります。
『ZIP友の会』の全員が測定下限値1Bq/kgまで正確に定量が出来るようになる事が一つの目標でもあります。
正しい測定値の公表は現状を正しく理解する上で大変重要な事だと考えます。

ZIPシリーズの検出下限について

今回は基本的な操作を覚えて頂く事を主眼に書いてみましたが、次回は誤検出の主な原因になる、K40によるコンプトン散乱の影響、Bi214などの自然核種による影響など実際の例をあげてその対処法も含め説明したいと思います。
測定者だけではなく、測定を依頼する方も知識を深める事が出来れば幸いです。


| 09:56 | 未分類