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低レベルに汚染された土壌の測定

福島第一原子力発電所事故由来のCs-134である程度汚染されている場合の土壌の測定は比較的簡単ですが、低レベルに汚染された土壌を出来るだけ正確に測定する事は大変難しいです。

その理由は土壌の場合はその土地によりさまざまな自然由来の核種なども混じっている為に、それらが邪魔して測定値が過剰になる事があるからです。


今回、依頼者様から畑で農作物を作りたいので出来るだけ詳しく測定をしてもらいたいとのご要望でした。
場所は山梨県北杜市高根町の畑の土です。
そこで一カ所の測定に対して表土とその表土から地中約50cm程度の土の2カ所からそれぞれ土を採取してもらい、地中50cmの土をバックグランドにして測定を行う事にしました。


A地点の表土の測定

ノーマルのバックグランドとの比較

A526-10h-NBG
Cs-All 37.8Bq/kg

スペクトル表を見て頂くと、茶色のノーマルのBG(=バックグランド)と赤の検体がエネルギーが低いほうから高いほうまで完全に離れている事がわかります。
K-40によるコンプトン散乱と600Kev付近がCsのピークになっており、あきらかに他の核種の影響で数値がかさ上げされている事がわかります。

地中50cmのBG(=バックグランド)との比較

A526-10h-50cmBG
Cs-All 11.4Bq/kg

茶色の地中50cmのBGと赤の検体を見ますとほぼ重なっていて、Cs-137の662Kev付近にハッキリとしたピークが見えます。
土壌の測定の場合は、自然由来の核種などの影響を排除する為に地中50cm以上の深さの土をBG(=バックグランド)にする事でより真の値に近くする事が出来ます。

B地点の表土も同様にして測定しました。
ノーマルのバックグランドとの比較


B527-10h
30.2Bq/kg

こちらも茶色の通常のBGに対して赤の検体は全体的に大きく持ち上がっている事がわかります。
その影響を相殺する為に地中50cmのBGと比較したものが下記のスペクトルです。


B527BG50cm-10h
3.9Bq/kg

茶色のBGと赤の検体は全体的に一部を除きほぼ重なっている事がわかります。
緑の差し引き分でハッキリとCs-137 662Kev付近にピークも確認出来ます。


畑で作る農作物によりセシウムの移行率が違うので、一概には言えませんがこのレベルの汚染で農作物を作っても事故前とほとんどかわらないレベルの危険性で、許容範囲ではないかと個人的には考えます。
しかしながら現在も大気中に大量のセシウムを拡散させている現状を考えますと定期的に測定をして、そこで育った農作物も測定を行い安全性を検証する必要はあるかと思います。
ちなみに肥料などの暫定許容値は400Bq/kgです。
原子力発電所外に適応されている放射能に関する主な指標例


現在行っている『放射能測定検査』は測定下限値(測定時間)により3種類の検査を行っておりますが畑の土などをより正確に測定されたい方は表土とその表土から地下50cm程の土をBGにして測定したほうがより正確な検査が可能です。
検体によりまずはお気軽にご相談下さい。

岡山県の土壌の測定例


お電話でのお問い合わせもお気軽に


☎03-5629-6977

| 17:15 | 未分類