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K-40によるコンプトン散乱の影響(K-40/2,000Bq/kg)

カナダ産の建材の端材+山梨県産笛吹市の桃・ぶどうの間伐材の灰の測定を
16時間(C検査)行いました。
ご参考までに弊社の測定例をご紹介致します。
下の画像は測定結果をそのままの何も操作せず示したものです。


Hai225y16h
Cs-All/100.3Bq/kg
Cs-134/57.2Bq/kg
Cs-137/43.1Bq/kg
BG(茶)、検体(赤)ログ表示。
*画像をクリックすると拡大します。

茶色がバックグランド、赤色が検体です。
スペクトルを見ますと茶色に対して赤が低いほうから高いほうまで全体的に持ち上がっているのがおわかり頂けると思います。
Cs-137/662Kev(2Kchで測定していますが表示は1Kchなので赤い棒(330あたり))にピークがありますのでCs-137の存在は確認出来ます。
しかし、このようなスペクトルの場合はK40によるコンプトン散乱でどの程度、数値が押上げられているかわかりません。
茶色のバックグランドに対して赤色の検体がエネルギーが低いほうから高いほうまでほとんど離れてしまった状態では真の値から大きくかけ離れている事が多々あります。

そこでROIの再設定を行いReCalicを行ったのが下の画像です。

Hai225Y-16h-Rec
Cs-All/37.3Bq/kg
Cs-134/6.7Bq/kg
Cs-137/30.7Bq/kg
BG(茶)、検体(赤)ログ表示。
*画像をクリックすると拡大します。


K-40のコンプトン散乱による影響をより詳しく知る為に0ppmの純水に炭酸カリウムを適量まぜてK40の値が近い試料で20時間のバックグランドを取得し、それと比較したのが下記の画像です。

Hai301Y-16h
Cs-All/40.7Bq/kg
Cs-134/6.4Bq/kg
Cs-137/34.3Bq/kg
BG(茶)、検体(赤)すべてリニア表示。
*画像をクリックすると拡大します。

このスペクトルを見て頂くとわかりますが茶色のBGに対して赤色の検体のがまだ少し全体的に持ち上がっています。
先程よりはROIの領域を選びやすくなりましたが更に検体にBGを近ずける為に微量の炭酸カリウムを追加でまぜ再度、20時間のバックグランドを取得し直したデータが下の画像です。

HaiY16hK40BG20Kbq
Cs-All/46.7Bq/kg
Cs-134/11.1Bq/kg
Cs-137/35.6Bq/kg
BG(茶)、検体(赤)すべてリニア表示。
*画像をクリックすると拡大します。

Cs-134とCs-137の比率も現状と近くなりましたのでより真の値に近くなったと判断出来ます。


| 13:20 | 未分類