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K40のコンプトン散乱による誤検出の回避

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殆どの検体には自然由来のカリウムが含まれています。
K40が多く含まれる検体を測定した時にはコンプトン散乱がおきます。
全体的にスペクトルが持ち上がってしまい誤検出になりがちです。

下はセシウムが1Bq/kg以下の試料を測定したものです。
20時間の測定でCs-Allで5.7Bq/kgの表示になっています。

k40_1.jpg

茶色の部分がバックグランドです。
赤が検体のスペクトルですが全体的に持ち上がっている事がわかります。
K-40によるコンプトン散乱の影響で茶色のバックグランドより全体的に持ち上がっています。
セシウム3兄弟ピーク(Cs-134/605Kev、Cs-137/662Kev、Cs-134/796Kev)位置もギザギザで際立ったピークがありません。
このようなケースの場合はまず誤検出を疑う必要があります。

Rc Calicを押したのが下のデータです。

K40_2.jpg


*Cs-Allで0.7Bq/kg表示で1Bq/kg以下になりました。

更に下の画像は無汚染の高分子吸収剤に純水を混ぜて炭酸カリウムを3gを入れて計320gにしてバックグランドを取得したもと比較したものです。
茶色の線はそのバックグランドで赤が検体です。
K40の高さがほぼ同じでK40の値も0になっています。

K40_3.jpg

こちらで比較してもCs-Allの値は1Bq/kg以下の定量下限値未満になりました。