予めセシウム濃度がわかっている線源などを、測定して検証する事の大切さは過去の記事で何度も書いてきました。
どれだけ難しい理屈を並べても結局は、濃度がわかった試料で検証するしかその測定器の数値の信憑性を確認する方法はないと思います。
机上の計算と実測値は違う事を認識し、実際に検証する事が最も大切だと思います。
イオン交換樹脂のセシウムの吸着率ですが、前回は0.6Bq/kgの液体の試料を使って実測値は0.56Bq/kgでしたので吸着率は約93%と言う計算になります。
詳しくはこちらの記事をご欄下さい。
今回はより濃度が濃い試料でテストを行いました。
セシウム濃度がわかっている固形の試料は比較的簡単に手に入りますが、液体の試料の入手は難しいです。
液体の試料を作るにあたり以前は汚染された土等をまぜればいいと単純に考えていたのですが、それでは液体の試料にはなりません。
2013年に測定した500Bq/kg近い茨城県産の茎茶が残っていたのでそれを抽出して試料を新しく作る事にしました。
まずは10gを検体袋に入れ、茶葉のままの状態で測定を行いました。
皮肉な事ですが、高濃度に汚染された茶葉は液体の試料を作る為には大変貴重です。
4時間の測定を行いました。
*画像はクリックすると拡大します。
表記Cs-All 12.9Bq/kg
検体は10gなのでiFKR-ZIP-Aの基本検体量320gの重量換算値は32倍の412.8Bq/kgが換算参考値です。
測定した10gの茎茶を厚生労働省の食品中の放射性物質の試験法についてを参考に、500ccの純水を沸騰させ90℃程度まで冷まして約60秒間浸し液体の試料を作りました。
まず、検体袋に160ccずつ入れ、計320ccの液体の状態でやはり4時間の測定を行ったのが下のスペクトルです。
検体袋から液体に漏れないように袋を3重にすれば液体の状態で測定しても問題ありません。
下の画像はのiFKR-ZIP-A検査室の内部です。
少ない検体量で、最大の検出効率を考えたところ、水滴の様な形状に似た形となりました。
奇しくもこの形状は、ゲルマ検出器にてU8容器で測定した場合の 検出器の効率として有効な等高線になっています。
この丸みより外側の試料は、あまり検出効率に寄与しないばかりか、逆にバックグランドを押し上げてしまいます。
表記Cs-All 4.8Bq/kg
この液体の4.8Bq/kgの試料500ccに更に500ccの純水を足すと、理論上半分の値になります。
つまり2.4Bq/kgの1,000ccの試料が出来る事になります。
そして更に1,000ccの純水を足して合計2,000ccで1.2Bq/kgの液体の試料を作りました。
2,000cc浸したイオン交換樹脂は吸収率が100%と仮定した場合は1.2Bq/kg×6.25倍で7.5Bq/kgになる筈です。
(*2,000cc÷320=6.25)
こちらも4時間の測定を行いました。
Cs-All 5Bq/kg
表示数値 5Bq/kg÷6.25で換算参考値は0.8Bq/kg
今回の実測値は0.8Bq/kgでしたので1.2Bq/kgの理論値に対しての吸着率は約67%と言う計算になります。
前回、0.6Bq/kgの試料で実測値は0.56Bq/kgで吸着率は93%でしたが、今回はより高い濃度の試料でテストしたので67%の吸着率のほうが真の値に近い可能性は高いかもしれません。
吸着率67%ならその分、数値は低く出ています。
つまり市販のお茶は前回のテストで参考値が0.07Bq/kg、
葛飾区の水道水は0.0103Bq/kgでしたが、おおむね30%程度、実際には高い値の可能性が十分にあると言う事になります。
いずれにしても2例だけでの判断は出来ないので更に検証する必要があると思います。
どれだけ難しい理屈を並べても結局は、濃度がわかった試料で検証するしかその測定器の数値の信憑性を確認する方法はないと思います。
机上の計算と実測値は違う事を認識し、実際に検証する事が最も大切だと思います。
イオン交換樹脂のセシウムの吸着率ですが、前回は0.6Bq/kgの液体の試料を使って実測値は0.56Bq/kgでしたので吸着率は約93%と言う計算になります。
詳しくはこちらの記事をご欄下さい。
今回はより濃度が濃い試料でテストを行いました。
セシウム濃度がわかっている固形の試料は比較的簡単に手に入りますが、液体の試料の入手は難しいです。
液体の試料を作るにあたり以前は汚染された土等をまぜればいいと単純に考えていたのですが、それでは液体の試料にはなりません。
2013年に測定した500Bq/kg近い茨城県産の茎茶が残っていたのでそれを抽出して試料を新しく作る事にしました。
まずは10gを検体袋に入れ、茶葉のままの状態で測定を行いました。
皮肉な事ですが、高濃度に汚染された茶葉は液体の試料を作る為には大変貴重です。
4時間の測定を行いました。
*画像はクリックすると拡大します。
表記Cs-All 12.9Bq/kg
検体は10gなのでiFKR-ZIP-Aの基本検体量320gの重量換算値は32倍の412.8Bq/kgが換算参考値です。
測定した10gの茎茶を厚生労働省の食品中の放射性物質の試験法についてを参考に、500ccの純水を沸騰させ90℃程度まで冷まして約60秒間浸し液体の試料を作りました。
まず、検体袋に160ccずつ入れ、計320ccの液体の状態でやはり4時間の測定を行ったのが下のスペクトルです。
検体袋から液体に漏れないように袋を3重にすれば液体の状態で測定しても問題ありません。
下の画像はのiFKR-ZIP-A検査室の内部です。
少ない検体量で、最大の検出効率を考えたところ、水滴の様な形状に似た形となりました。
奇しくもこの形状は、ゲルマ検出器にてU8容器で測定した場合の 検出器の効率として有効な等高線になっています。
この丸みより外側の試料は、あまり検出効率に寄与しないばかりか、逆にバックグランドを押し上げてしまいます。
表記Cs-All 4.8Bq/kg
この液体の4.8Bq/kgの試料500ccに更に500ccの純水を足すと、理論上半分の値になります。
つまり2.4Bq/kgの1,000ccの試料が出来る事になります。
そして更に1,000ccの純水を足して合計2,000ccで1.2Bq/kgの液体の試料を作りました。
2,000cc浸したイオン交換樹脂は吸収率が100%と仮定した場合は1.2Bq/kg×6.25倍で7.5Bq/kgになる筈です。
(*2,000cc÷320=6.25)
こちらも4時間の測定を行いました。
Cs-All 5Bq/kg
表示数値 5Bq/kg÷6.25で換算参考値は0.8Bq/kg
今回の実測値は0.8Bq/kgでしたので1.2Bq/kgの理論値に対しての吸着率は約67%と言う計算になります。
前回、0.6Bq/kgの試料で実測値は0.56Bq/kgで吸着率は93%でしたが、今回はより高い濃度の試料でテストしたので67%の吸着率のほうが真の値に近い可能性は高いかもしれません。
吸着率67%ならその分、数値は低く出ています。
つまり市販のお茶は前回のテストで参考値が0.07Bq/kg、
葛飾区の水道水は0.0103Bq/kgでしたが、おおむね30%程度、実際には高い値の可能性が十分にあると言う事になります。
いずれにしても2例だけでの判断は出来ないので更に検証する必要があると思います。
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