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尿の検出下限値について

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イオン交換樹脂吸着法により一部の液体の検体に限られますがより低い濃度の汚染が確認出来るようになりました。
水道水や井戸水など不純物が比較的少ない検体はイオン交換樹脂の種類にもよりますが、かなりの量を吸着する事を確認しております。
実際にベクレル値がわかった液体での試料で確認する必要はありますが、約82リットル以上の水道水を吸着する事が出来ました。

参考記事

現在のところ、S.精密検査の尿の場合、検体量は800ccのみで検査をさせて頂いております。
これは2Lのペットボトルにイオン交換樹脂を入れ、800ccの尿を入れ800ccの純水で希釈して、ペットボトルを1分間、約10回振ればほぼ0ppmになるからです。

検査を受けて頂いた方と話しをしていて、検体量が増えてもより下限値が低い検査をご希望の方が多いのではないかと言う事でしたので、どこまでの検出下限値で検査出来るのか飽和率などの実験を行いました。

水道水の場合のTDSメーター値はおおむね140~160ppm前後でした。
以前、測定した尿は400ppmもありましたので、尿200ccに対して純水1250ccをイオン交換樹脂が入った
ペットボトルに入れ、撹拌したところ選んだイオン交換樹脂(DI-4)が悪かった為か600cc(3回)を吸着させる為に1分間の撹拌を48回行わなければ0ppmになりませんでした。

これでは前処理に時間がかかり過ぎる為に途中で断念して再度、尿の検体を再度用意してテストを行いました。
今度は尿100cc+純水1,400ccを実績があるイオン交換樹脂の入ったペットボトルに入れ撹拌を行いました。

1.1分間×3回→0ppm
2.1分間×3回→2ppm+1分間×1回→0ppm
3.1分間×4回→0ppm
4.1分間×4回→0ppm
5.1分間×4回→0ppm
6.1分間×4回→2ppm+1分間×1回→0ppm
7.1分間×4回→2ppm+1分間×1回→0ppm
8.1分間×5回→0ppm
9.1分間×5回→3ppm+1分間×1回→1ppm+1分間×1回→0ppm
10.1分間×6回→2ppm+1分間×1回→1ppm+1分間×1回→0ppm

*この時点で現状では振る回数が多い為に尿50ccに対して純水1,400ccで希釈して撹拌する事に変更しました。
11.1分間×5回→2ppm+1分間×1回→1ppm+1分間×1回→1ppm+1分間×1回→1ppm+1分間×1回→0ppm

IMG_1
撹拌前のペットボトル


IMG_2
撹拌して0ppmになったペットボトル



1,050ccの尿を吸着した時点で1分間のペットボトル振りを計58回行ったのでここで終わりにしました。
1,050cc÷320=3.28125倍
吸着する事で約3.2倍に濃縮した計算になります。
つまり測定器自体の検出下限値は1Bq/kgですが、検出下限値の計算は1÷3.28125で約0.3Bq/kg(Cs-All)となります。

実際にベクレル値がわかった試料で吸着率は96%以上です。
参照:吸着率テスト(3) 


尿を1.05リットル吸着させたイオン交換樹脂(DI-1)を320g取り出し16時間の測定を行いました。


MSDI11.05L1117-16h
*画像はクリックすると拡大します。

上記のスペクトルをご欄頂くとわかりますが尿を吸着させるとカリウム(K-40)も濃縮されて高い数値になります。
茶色の通常のBGに対して赤色の検体が全体的に持上がってしまいK-40によるコンプトン散乱の影響が出ていますのでこれでは正確な分析は出来ません。


イオン交換樹脂吸着法の場合は通常のC.精密検査に比べてカリウム(K-40)も濃縮されて高い数値なる為にK40が適当に含まれるBGを予め取得しておく必要があります。

MSDI11.05L1117-16hK40bg
*画像はクリックすると拡大します。

茶色のBGに対して赤色の検体も全体的に持上がってない事が確認出来ると思います。
0.3Bq/kg 定量下限値未満ですが、Cs-137 662Kev(330)にピークが確認出来ます。


現状のテストでは検出下限値 0.3Bq/kg程度の測定は可能ですが、前処理に時間がかかり過ぎる為に
検体量は800ccで検出下限値 0.4Bq/kgのS.精密検査が現実的だと考えます。
ご自身で前処理をして頂ける方はご相談に応じますが、手順などを考えより時間がかからない前処理が可能になりましたらまたご案内させて頂きたいと思います。