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Bi214などの影響による誤検出の回避方法

茨城県東茨城郡大洗町大貫の海岸の砂の測定をiFKR-ZIP-Aで行いました。

検体量は320gで16時間測定したのが下のスペクトルです。

No.1
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茶色が測定室を空の状態で20時間かけて取得したBG(=バックグランド)で、赤色が検体です。
測定器が示した数値はCs-Allで14.7Bq/kgです。
茶色のスペクトルと赤色の検体のスペクトルが離れていて、Bi-214 609KevあたりとK-40 1460Kev近辺にピークが確認出来、Cs-137のピークはずれています。
その事からコンプトン散乱の影響により数値がかさ上げされている可能性が高い事がわかります。

茶色のBGと赤色の検体は本来は下のスペクトル例のようにほぼ全体的に重なっていなければ正確な測定は出来ません。
つまりROIの設定が正しく行われている事が正確性を担保する必要条件です。

ROI_No.2
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上の画像の黄色く塗りつぶしてある部分をご欄下さい。
簡単に言いますとその黄色の部分の面積を計算して数値を算出しています。
ピークがCs-137の662Kev付近にあり、609Kevの位置はそのピークの左肩にあります。
こんどは先程の砂のデータのROI領域を黄色で塗りつぶしてみたのが下の画像です。

No.3
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Bi-214 609Kevにピークがあり、茶色のBGと赤色の検体が離れていると言う事は、黄色の面積が広くなってしまっている事がわかると思います。
面積が広いとそれだけ数値はかさ上げされます。

その影響を出来るだけ少なくする為には茶色のBGと赤色の検体の差を出来るだけ少なくする事が必要です。
K-40が含まれる無汚染のBGと比較したのが下の画像です。

つるかめ11.2Bq
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最初の画像と比較して頂くとBGにK40が含まれている為に茶色のBGと赤色の検体がより近くなった事がおわかり頂けると思います。
つまり、コンプトン散乱による影響は少なくなったと言う事です。
実際にCs-All 11.2Bq/kgと最初のデータと比べますと3.5Bq/kg程低くなっています。
それでもK-40の値がまだ59.8B/kgの表示になっておりますので、影響は多少あります。
更に影響を減らす為に今度はK-40が約200Bq/kg程度入ったセシウム無汚染のBGを20時間測定して取得し、それと検体を比較したものが下記の画像です。

つるかめ9.1Bq
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先程のデータより更にBGと検体の重なりが多くなり、数値もCs-Allで9.1Bq/kgになりました。
右側のエネルギーが大きいほうはほぼ重なっていますが、Bi-214 609Kevの影響は残されている事はそのエネルギー近辺が重なってない事を見ればおわかり頂けると思います。
また、K-40は砂の最初の数値が約190Bq/kgになっている事から0になって引き過ぎています。
下は測定した砂の生データ(2Kch)ですが、エネルギーが低いほうから、拡大縮小などして詳しくデータを見ていくとウラン系列のPb214 242Kev 295Kev 352Kev、Bi214 609Kev 1120Kev 1764Kev辺りにもピークがある事が確認出来ました。

つるかめ生データ625
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セシウムの定量には関係ありませんが、生データを拡大縮小などしながら詳しく見ていき、怪しいピークがあれば、そのエネルギーピークが何に該当するかをγ線の帰属表で見て調べる事も大切です。

γ線の帰属表
更にアイソトープ手帳でその核種の放出割合などみて複数のピークを確認する事で核種を同定します。
取得したデータからセシウムだけではなく、いろいろな情報が読みとれる事が出来れば理想だと思います。

セシウムの定量から話しが少しずれてしまいましたが更に近いBGを作る為にBi-214が含まれている肥料にカリウムの量も調整してこの検体を出来るだけ正確に定量する為のオリジナルBGを作ってみました。

IMG_3914

1時間程測定しては途中、出てきた数値を見ながら肥料とカリウムの量を調整してまた測定する作業を何度か繰り返し、最終的には20時間かけてBGを取得しなければなりません。
測定途中で時間の経過と共にどのようにスペクトルが変化をしていくのかを予想し、最後は勘を頼りに作るしかない地道な作業です。


その完成した20時間のスペシャルBGと検体を比較したのが下記のスペクトルです。

SPBG626-1
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今回は海岸の砂の測定を行い、1Bq/kgあるかないかの検証しましたが、個人的には砂は食べるものではないので、セシウムに関しては数ベクレル程度あるかないかの判断が出来れば十分だと思います。

砂や土壌などの測定は採取場所により、何がまざっているかわからないので微量の汚染を定量する事は大変難しいです。

低レベルに汚染された土壌の測定も参考にして下さい。

低レベルに汚染された液体の測定も難易度が高いです。

液体中のセシウムの測定

液体中のセシウムの測定(2)も参考にして頂けばと存じます。


このレベルの測定になると現在多くの測定所が使用しているNaIではまず不可能です。
まだ5Bq/kg以下NDとの表記を見かけますが、そもそも10Bq/kg以下の数値の信憑性はありません。
メーカーの公表値は理論値であり、実測値ではない事に注意が必要です。
そもそも長時間測定出来る条件は温度特性が良く、光電子倍増管の高圧電源の変動に大きく影響されず、磁気にも敏感に反応しない測定システムが必要です。

(株)シンメトリックス社製のFKRシリーズは世界最高水準の性能を誇りますので、自信を持ってお奨め致します。


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| 07:56 | 未分類