(1)はじめに
2016年11月に水道水のセシウム除去に特化したセシウム除去用シャワー浄水器発売開始直後からご使用頂いている杉並区のユーザー様分の測定を行いました。
今回、測定したゼオライトはカートリッジ内の上部に入っている約50gの人工ゼオライト及び下部に入っている天然ゼオライト+活性炭です。
フィルター1を通過したお湯はまず人工ゼオライトを通り、フィルター2を通過後に更に天然ゼオライト50gと活性炭30gがまざった2つ目の部屋を通過する2層構造になっています。
(2)人工ゼオライトが吸着したセシウム
今回測定させて頂いたユーザー様の自己申告のデータは一日の使用量約200L×263日=52,600Lです。
人工ゼオライト約50gの測定を3時間行いました。
表示はCs-All 25.4Bq/kg
*バックグラウンド(=BG)は無汚染の人工ゼオライト50gで50,000秒測定して取得したものと比較。
バックグラウンド(=BG)はより正確性を担保する為に直近のデータを使用しました。
バックグランドとは自然界や測定器そのものに、天然の放射性物質がありますので
検査室に検体を入れない空の状態と検体を入れた状態で比較して、正味の放射能濃度を計算する為に取得します。
iFKR-ZIP-Aは検体量が320gあるとして、数値が出されます。この場合、人工ゼオライトは50gですから、6.4倍に換算する必要があります。
セシウム総量162.56Bq/kg
(3)天然ゼオライトと活性炭が吸着したセシウム
そしてカートリッジの2つ目の部屋に入れたあった使用済みの天然ゼオライト50gと活性炭30gを4時間測定しました。
表示はCs-All12.5q/kg
*バックグラウンド(=BG)は無汚染の天然ゼオライト50gと活性炭30gを20時間測定して取得しました。
こちらは合計で80g使用しましたので換算値は4倍で計算しますと50Bq/kg
カートリッジが吸着したセシウム総量 212.56Bq/kg
*Cs-134のピークも明確な事から福島第一原子力発電所由来の汚染と推測出来ます。
追記2017年8月27日
ユーザー様からの情報です。
杉並浄水場 三郷1割 朝霞9割(利根川)板橋御円(4%5%)+上井草給水所で
善福寺浄水場で地下から吸い上げた地下水を5%程度混ぜているそうです。
(需要が多い時は川の水が大半)地下水を混ぜている地域なので他の杉並区の地域の方よりもしかすると少なくでるかもしれません。
換算値の検証はこちらをご参照下さい。
人工ゼオライトと天然ゼオライト(+活性炭)を比較すると明らかに人工ゼオライトのがスペクトルがキレイですので、より正確性がある測定が可能です。
そして数ある人工ゼオライトを試しましたがこれだけ セシウムを吸着するものはありませんでした。
イオン交換樹脂も度重なるテストで吸着率は高い事はわかっていますが、液体の検体を撹拌する必要があります。
通水させるだけでは吸着率は極端に落ちる事が実験からわかっています。
参考:イオン交換樹脂吸着法による微量放射能測定の可能性について
セシウム除去用シャワー浄水器に採用している人工ゼオライトは水道水中の微量のセシウム除去はもちろんの事、定量にも有効だと思います。
原発から流出した核種はセシウムだけではありません。
その300倍危険だと言われているストロンチウムは原子炉内ではセシウムと1:1の比率で存在します。
毎日大量に呼吸器から肺に吸収してしまう事を真剣に考え、そして対策して欲しいと思います。
*参考 シャワーの害に関するアメリカからのレポート:http://heart.bird.to/shower/report.html
水道水のセシウム除去に特化したセシウム除去用シャワー浄水器
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