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素材によるセシウム吸着率の比較

液体に含まれる微量のセシウムの定量は、液体を濃縮して測定するのが一般的です。

例えば蛇口水の場合は蒸発濃縮が一般的に行われている前処理方法だと思います。
しかし蒸発濃縮の場合は、ガラスに少なからずセシウムが吸着してしまい、正確な定量は難しいと考えます。


そのため、2015年夏頃から液体に含まれる微量のセシウムの測定で最も効率の良い方法を模索してきました。

液体中に含まれる微量のセシウムの測定の記事で書きましたが、セシウムを選択的に吸着出来る住友3Mのエムポア・ラド・ディスクなども試しましたが、前処理の手間、コスト面などで断念しました。

2011年からRO(逆浸透)浄水器を販売しておりますが、オプション設定したイオン交換樹脂フィルター(DIフィルター)にセシウムを吸着する事がわかっていました。

0PPM-RO浄水システム

RO(逆浸透)方式の浄水器はセシウムより粒子が細かいヨウ素(I-131)の除去について国立研究開発法人量子科学開発機構、放射線医学研究所、放医研でRO(逆浸透)方式以外の浄水器では、ほとんど、あるいは限定的な除去効果しか期待出来ない』との記述があるようにその浄水器の心臓部分であるメンブレンフィルターはそれらを約99%除去可能です。
更に安全性を高める為に除去出来なかった残りの約1%を吸着させる為に最後にイオン交換樹脂フィルター(DIフィルター)に水を通過させるオプション設定をしました。
通水量はわかりませんが、1年程使用したイオン交換樹脂フィルター(DIフィルター)を測定して明確にセシウムが検出されました。

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各地の水道水中のセシウム値(一覧)

そこで目をつけたのがイオン交換樹脂です。
液体中に含まれる微量のセシウム測定方法にそれらの実験をまとめています。

イオン交換樹脂吸着の前処理の方法も回数を重ねるごとに新しい発見があり、少しづつ改善されました。
イオン交換樹脂は種類も多く、どのタイプがもっともセシウムを吸着するか度重なるテストを繰り返しました。

最終的にはここ金町浄水場からの蛇口水をまずはTDSメーターで測定して不純物濃度を知り、0ppmになるまで撹拌します。
蛇口水をイオン交換樹脂にただ通水させるだけではセシウムの吸着率は極端に落ちる事はわかっていましたが、以前は適当に撹拌していました。具体的には2Lのペットボトルで1分程シェイクし、それを繰り返し行っていました。

金町浄水場の蛇口水のTDSメーター値は概ね110~170ppm程度で時期により違います。
(*注:ppm値は不純物濃度を表すもので、セシウムを測定している訳ではありません。)


蛇口水をイオン交換樹脂にただ通水させるだけではセシウムの吸着率は極端に落ちる事は実験でわかっていましたので蛇口水にイオン交換樹脂を入れ、撹拌させる事により、0ppmになる事に注目しました。
そして数々の実験を繰り返し、吸着率についても調べました。


イオン交換樹脂吸着法による微量放射能測定の可能性についての文中にリンクを貼りましたが、予めセシウム濃度がわかった液体の試料で吸着率は96%である事がわかりました。

液体の試料をイオン交換樹脂に吸着させるためにTDSメーターを活用し、0ppmになるまで撹拌させる事により、より正確性が高い前処理を行う事が出来る事がわかりました。

その方法でここ金町浄水場からの蛇口水を5回程測定して、1リットルあたり概ね0.01Bq/L程度である事がわかりました。
(*測定時期は2015年~2016年)

問題は福島第一原子力発電所爆発より5年以上経過した2016年8月22日に半減期が約2年のCs-134が検出された事です。

葛飾区のイオン交換樹脂(DIフィルター)測定


RO(逆浸透)方式の浄水器で放射性物質を99%除去した後に通過したイオン交換樹脂(DIフィルター)から半減期が約2年のCs-134が検出された為、毎日入る風呂やシャワーの水の危険性を疑いました。
そして『シャワーの害に関するアメリカからのレポート』http://heart.bird.to/shower/report.html
でその危険性を具体的に知りました。

それによりますと『お湯に含まれる汚染物質の最大91%は、入浴中及びシャワー中に皮膚から、また湯気を吸い込む事で呼吸器から肺に吸収される事などの記述を見つけました。
『シャワーやお風呂を通して、被曝する化学物質の量は、水道水を飲むより最大100倍多い』との記述に驚愕しました。

ほとんどの方が知らない事です。

そして2016年1月より実際に毎日入る風呂やシャワーの水対策で天然ゼオライトを利用した簡易的なフィルターを作成し、セシウム除去対策とその効果を立証する為に測定を継続して行ってきました。
天然ゼオライトは自然由来のセシウム以外の核種も存在する為、除去効果はある程度ありますが、測定には向いていない事がわかりました。
そこでさまざまな人工ゼオライトに実際に通水して、その効果を検証する実験を継続してきました。
今迄、測定した人工ゼオライトで吸着率が最も高い人工ゼオライトの測定を行ったところ、今迄に見た事もないキレイなスペクトルである事がわかりました。

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この人工ゼオライトはセシウムの粒子より少し大きな孔になっている為に一度捕獲したセシウムを逃しずらい構造になっている事、粒子の大きさがほぼ同じのストロンチウムも理論的に捕獲する筈です。
*実際にストロンチウムを測定して検証した訳ではないので断言は出来ませんが、セシウムの吸着率は特筆すべきです。

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実際にシャワー浄水器でこの人工ゼオライトを使用し、蛇口水(40℃程度)約2,800Lを通過させ、中身の人工ゼオライト約50gを測定したスペクトルです。

表記 Cs-134 1.2Bq/kg、Cs-137 6.4Bq/kg 、Cs-All 7.7Bq/kgでCs-134の796Kevに明確なピークがあります。

重量換算値でCs-All 49.28Bq/kgで1リットルあたりに換算すると0.0176Bq/Lです。

驚いた事に今迄、測定した最高値を記録しました。
測定した時期が違う為に単純比較は出来ませんが、吸着率の高さ、スペクトルを見て高価ですが、この人工ゼオライトを採用する事にしました。


詳しくは人工ゼオライトを通過させたシャワー水のセシウム値(10日)
ご参照下さい。


備考:換算値について

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このスペクトルから測定を邪魔する自然由来の核種などもほとんど含まれていないのではないかと推測しております。
測定者にとって邪魔する他の核種がない事は非常に有利です。

2017年2月21日追記

ノーマル(検査室空)のバックグラウンド(=BG)とこちらの人工ゼオライトの
スペクトル比較

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茶色が空のノーマルBGで赤が人工ゼオライトのスペクトルです。
ほとんど重なっている事がわかります。

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ログ表示

下は他の人工ゼオライトとの比較です。
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ログ表示
スペクトルが重なっておらず、これでは正確な定量は出来ません。

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白が採用の人工ゼオライトです。
人工ゼオライトは形状も吸着率もさまざまです。

バックグラウンド(=BG)は邪魔する核種がある場合は必ず、無汚染の試料で別途取得する必要があるからです。
K40など自然回に存在する核種が検体に含まれている場合は、コンプトン散乱などの影響により、数値が過剰になってしまうからです。

K40のコンプトン散乱による誤検出の回避方法

正確な定量を行う為にも試料は空の状態のバックグラウンド(=BG)と出来る限り近い事が理想ですが、見事にこの人工ゼオライトはその理想に適っています。

文部科学省(原子力規制委員会)の直近の平成28年11月4日発表(H28年4-6月分)データでは葛飾区の蛇口水は
Cs-134+Cs-137で0.0087Bq/kgとなっています。

http://radioactivity.nsr.go.jp/en/contents/12000/11570/24/194_20161228.pdf

このデータはゲルマニウム半導体検出器を用いた測定器で、試料の前処理は蒸発濃縮です。


こちらも測定時期が違うので単純比較は出来ませんが、蒸発濃縮による前処理と、ただ人工ゼオライトに通水(40℃)させただけの数値の比較である事は特筆すべきです。

これだけの吸着率が得られる人工ゼオライトは画期的と言えます。

蒸発濃縮による、水道水の測定は多くの研究機関などでも採用されておりますが、ゲルマで測定して2016年度の東京の水道水からCs-134も検出されてない例も多々見かけます。

被ばく回避に活用するのはもちろんの事ですが、測定の観点からもこの人工ゼオライトは素晴らしい素材だと思います。

人工ゼオライトを採用した、セシウム除去用シャワー浄水器、CDSW-01
は全国の水道水のセシウム汚染度の測定に活用出来るのではないかと考えております。

例えば30,000Lを通水させると理論上、約0.000034Bq/L(Cs-134+Cs-137)の下限値で測定が可能です。
*チェルノブイリ事故後、1986年6月25日、岡山市の蛇口水はCs-137 0.0011Bq/Lでした。
一桁低い数値まで知る事が出来る事は特筆すべきだと思います。


使用機器 iFKR-ZIP-A(10時間)

特に微量放射能測定は、試料の量が多いと、コンプトン散乱、自己吸収、遮蔽体からの散乱線等の影響で正確な測定が困難です。

詳しくはこちらもご参照下さい。

土日、祝日もメーカーであるSMTX社にご案内させて頂いておりますので、お気軽にご相談下さい。

電話でのお問い合わせもお気軽に!


☎03-5629-6977

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